映画と小説で「ユリゴコロ」まみれな件
沼田まほかる原作の「ユリゴコロ」をDVDで観ました。
昨年公開の映画で、劇場で観ようと意気込んでいましたが叶わず、DVDになったとの情報を得てレンタルしてきました。
美紗子役が吉高由里子とのことで、「ぴったりじゃーん!」とあの時はキャスティングにホクホクしていたんですよね~
実際に吉高ははまり役で、彼女以外に考えられないくらいの出色の出来です。
NHKの朝ドラ「花子とアン」以来、あまり彼女の作品に接することがなかったのでしたが、この「ユリゴコロ」は期待以上の美紗子役でした。
ではここから映画の感想を。
ネタばれしてますので、これから映画や小説を読もうと思っている方はご注意を!
私は原作小説をずっと前に読んでいるので、どうしても映画に対する要求が高くなってしまうのですが、やはり今回も映画を観てから原作を読んだほうが良かったのかもと思わずにいられません。
一番の不満は、細谷さんの登場が原作と全然違ったこと。
ずっと前から亮介のそばにいたからこそ活きた最後の種明かしなのに、これで驚きと感動が薄れてしまった。
美紗子が整形していたのなら、初めからの登場で映画的によかったではないかと理解に苦しみました。
逆に亮介の父親役の俳優が、最初松山ケンイチの老いた特殊メイクなのかと思ってしまった。実際は貴山侑哉という俳優です。
映画の美紗子とみつ子のエピソードでは、リストカットのシーンが何度も出てくるので見ているのが耐えがたく、目を逸らしてしまいました。痛そうなシーンが大の苦手なので。
こんなこと言うんだもの・・・
映画と原作を読む順番としては、映画が最初の方が絶対に得なのですが、今回はそれができませんでした。
原作を読んだのはもう何年も前だし、すでに手元に本はありません。
「ユリゴコロ」の小説は沼田まほかるを知るきっかけになり、既刊の「九月が永遠に続けば」も読むことができました。観てないし読んでいませんけど、最近では蒼井優が主演の「彼女がその名を知らない鳥たち」も映画化されましたね。
後は短編の「痺れる」を読みました。調べてみれば「ユリゴコロ」が一番新しい著作だったようです。
新聞の宣伝で「ユリゴコロ」を知ることになった私ですが、「不思議な小説」と評していた作家の言葉通り、不思議な読後感の小説でした。美紗子の手記がひたすら暗く不気味で、貴志 祐介「黒い家」を読んだときと似た不穏な感覚に陥りました。
「黒い家」はホラーなので内容的には全く違いますけどね。(「黒い家」も映画を観てから原作を読んでしまった)
どちらも非常に怖い本です。
ですが、「ユリゴコロ」は怖さが最後は愛に変わってしまう。
そこが不思議な小説と評される所以なのです。
最後に素朴な疑問として、ヤクザを殺戮した細谷さん、女性一人で「いったいどうやったの!?」とみんな思ったはず。
たぶんこうなったのではないかと私は考えました。
はい問題解決ですね。
この「ユリゴコロ」は過去ブログでもちょっと書いたことがありました。
タイトルだけで内容を妄想するシリーズをやっていた・・・
こういうお話ではありません・・・
モデルは「世にも奇妙な物語 2014春の特別編」に出ていた「空想少女」の、のんと飯豊まりえです。
ちょうどドラマ観た後に描いたので。
ちょうど4年前のイラストなんだな~
ちょうどドラマ観た後に描いたので。
ちょうど4年前のイラストなんだな~
最後に美紗子さんから一言