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沢村貞子「私の台所」で主婦女優の家事を垣間見る

現在NHKのEテレで「365日の献立日記」が放送中です。
これは女優、沢村貞子が作っていた毎日の献立記録を、料理研究家の飯島奈美さんが(顔出しなしで)料理を想像しながら再現している番組です。
私はこの番組が大好きで、いつも録画しています。
料理番組の好きなところは下ごしらえの時に発見があるところ。
ごぼうのささがきや長ネギのみじん切りの仕方は勉強になりました。

この間母の本棚から、偶然沢村貞子の「私の台所」のエッセイを見つけて借りてきました。



daidokoro


昔に買ったものなのでハードカバーです。
何かの包装紙をブックカバーにしている…

私の母も昔から貞子さんが好きだったようで、彼女がTVに出ると「この人は着物の着方が粋なのよね」といつも言っていたことを覚えています。着物のことはよくわからないけど、胸元が少しゆったりした着方?
私はなんとなく、沢村貞子という女優は往年の大女優で主役を演る女優さんなのかと思っていたところがあったので、「365日の献立日記」のオープニング、「昭和の名わき役」との紹介で「え?そうなの?」と少し驚いたのでした。





今は文庫も出ていますね。

こちらの本に献立が載っているようです。





「私の台所」の中からの一文が、度々番組にも引用されています。
「カレーライス」の回に出てくる「デレンコ・デレンコ」は「私の台所」の中にありました。
「デレンコ」はいわゆる「怠ける」意味のようです。
女優業のかたわら、月に2,3度たっぷり怠ける日。
明日からはまたセッセコ、セッセコと働くために。
驚くのは毎日本当に忙しい日々なのに、あの献立の品数!一汁三菜は必ずあるし、おやつまで手作りすることがあるなんて、義務というよりは家事が好きでなければ絶対に務まらないと思いますよ。


本の中に「夏まけには…」というタイトルのエッセイがあります。
昭和の時代、やはり夏は暑かった!
じっと座っているだけで汗が噴き出てくるような真夏の夕方に、なんと貞子さんはよく天ぷらを揚げていたそうな。
今ならありえないような献立ではありませんかね?
当時はエアコンなんて無いし、貞子さんのお家に扇風機もあったのかどうか…


ぬるめのお風呂でサッパリ身体を洗ったあと、気軽な浴衣がけで揚げたての車えびやきすなど口にしたときのしあわせ…
一日の疲れがスッととれるような気がする、と家人は機嫌がいい。



機嫌が良いのは貞子さんの旦那様です。
お風呂から出たらすでに食卓には揚げたての天ぷらが出ているなんて温泉宿の夕食時のよう。
でも奥さんは暑いおもいをして天ぷらを揚げて、それをすぐに風呂上がりにいただくのは夫…。まあそんな時代です。
番組でも「夏のてんぷら」というタイトルで献立が紹介されていました。
ころもはなるべく薄くすることがコツだそうです。
そして天ぷら後の油も何度も使い回しては美味しいお惣菜を作っていたようです。



sadakosan

当時は「固めるテンプル」のような凝固剤なんて出回っていなかったものね~。


現代は便利になってはいるけれど、この本を読んで昔の主婦の家事への考え方や取り組み方が、私には新鮮で勉強にもなりました。
とにかくきちんとした方だったんだな、という印象の貞子さん。

私もデレンコしたら天ぷら揚げようかな?





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