朝ドラ「エール」の感想と二階堂ふみのことをクドクド書く
NHK朝ドラを見続けてます。
現在放送中の「おちょやん」も楽しみに観ています。
今回はとっくに終了してしまった朝ドラ「エール」についての感想です。
昨年書いておいて、絵を描こうかどうしようか迷っているうちに年を越してしまった。
「エール」はとても好きなドラマでした。
放送中のドラマはいつも好きに決まっているのですが。
そうでなければ途中で観なくなるし。
戦前戦後に活躍した作曲家である古関裕而をモデルにしたドラマなので、実際の音楽がたくさん出てきます。
一番好きなのは「栄冠は君に輝く」です。もっとも耳にしている曲だし(高校野球のテーマ)
そういえば私は漠然と「栄光は君に輝く」というタイトルなんだと思ってましたな。
最終話で妻の音が病に臥せっているときに、夫の裕一に「海が見たい」と連れ出してもうらシーンがすごく感動的でした。夫に支えられながらヨロヨロと裸足で床を歩いていくと白い砂浜につながっていて、若い頃の夫婦に戻って駆け出していくシーンです。暗いシーンから一気に明るいシーンになって、このドラマの最終回にふさわしかった。このシーンはホームページでメイキングも観られます。
最後に視聴者への二人からのメッセージにあったりして、原始時代に始まって、最後まで本当に驚かせてもらいました。
ただ、コロナで撮影が2か月くらい中断したせいで、ずいぶんと話が削られてしまったのが残念。たぶん母光子(薬師丸ひろ子)が亡くなるエピソードが本来はきちんとあったのではと思うのですが。(どうだろ?)
さて、「エール」にも登場した、日本にも世界で活躍するオペラのプリマドンナが居たことに驚いた人も多かったのでは?
三浦環という女性で、ドラマでは双浦環として柴咲コウが演じていました。
幼い音(おと)が教会で歌う双浦環に出会うシーンがあるのですが、その時に歌われていたのはオペラの有名な楽曲「私のおとうさん」でした。
吹き替えなしで歌ったとのことですが、やはりオペラ歌手の歌声とは似て非なるものなのでした。
柴咲コウもこのシーンの為に、かなりレッスンを積んだようですが、やはりそこには越えられない壁というものが存在していまして…。ソプラノ歌手の高音というのは、まったく耳障りではなく、歌手自体が楽器になって突き抜けた高い音が生まれるのです。声楽家の方はそれはもう血のにじむ(?)レッスンを何年も続けているからこそ、あんな黄金のシルクのような美しい発声ができると思うのです。
ソプラノで有名なものの一つは「魔笛」の「夜の女王のアリア」ですが、(オペラにうとい私でも聴いたことがあるし)あれを聴くと本当にプロの声は凄い!と感じ入ります。
二階堂ふみもオペラを歌うシーンが出てくるのですが、どうしても一般人の出す「裏声」の域を出ていない。まあどちらも女優さんなので仕方ないんですけどね。(吹替にしたとしたらどうだったのだろう。違和感ありまくりだったかな~)
現に音が主役になって歌っても、いつもダメ出しばかりだったから、あれはあれで物語上はOKなのでしょう。
音といえば二階堂ふみ。
二階堂ふみは一時まで、私はあまりよく知らない女優さんでした。
映画になった問題作「私の男」で初めて知ったようなもの。
映画の感想としては「?」でしたが二階堂ふみの存在感は圧倒的でした。
その後に二階堂ふみを観たのが映画「脳男」だったかな。凶暴な連続爆弾魔の役であれは怖かった!眉毛の無い顔が不気味!
なので、私は二階堂ふみという女優はずっとヤバイ役を演るクセ者女優であるという認識を持っていて、映画を中心に演技派として活躍していく人なんだろうと思っていたのです。
だから前に、ぐるナイの「ゴチ」に出演していることを知って心底驚いてしまった。「あの二階堂ふみが?」と。
本人曰く「知名度を広めたかった」とのこと。こういう本音を言える女優さん好きです。
その後「ストロベリーナイト・サーガ」で姫川玲子役を演ると聴いた私。
大好きな姫川玲子を?「やめてくれー」と正直思いました。
あの役は竹内結子のイメージが強いし、同じ話をまた連ドラで制作するのもどうかと思ったわけです。
でも観てみたら、なぜか違和感なくスンナリと物語に入りこめたのです。(前作では扱わなかった事件をやったのは嬉しかった)
と言いますか、竹内結子の姫川はよく笑顔を見せるし感情を露わにするし(トラウマのフラッシュバックも多い)、人間味があるというか庶民的?で好感を持っていたものなのですが、二階堂ふみのクールな姫川の魅力もなかなかなのでした。スタイルも、竹内結子のようなロングヘアーではなく、ストレートのショートボブにしていたのも良かった。
逆に菊田役の亀梨和也はちょっとミスキャストではないかと思ったものです。とにかくあのドラマでは地味!亀梨君が地味過ぎてちょっとかわいそうだったな~。一応そういう役柄ではあるのだけどね~(ちなみに前の菊田役は西島秀俊)
そして今回の朝ドラ「エール」です。
二階堂ふみの演じた妻の方を主役にしても成り立つ物語でしたが、立派に妻を演じていた二階堂ふみは私のイメージを良い方向へ引っ張ってくれたようです。
年末の紅白の司会も立派に務め上げていました。椎名林檎とは相思相愛だったようで良かった良かった。
ちなみに沖縄出身というのは意外!関西の人かと思ってました。
何かと驚かされている二階堂ふみさんの今後の活躍を楽しみにしています。(余計なことですが、「ふみ」という名前は今時としては古風な感じ。本名らしいですが、それにも驚かされました)
余談ですが、最近「あさイチ」のゲストで出演していた作家の山本文緒氏。
現在出版されている新作「自転しながら公転する」に登場する主人公の彼氏役を、「エール」で将校からラーメン屋になった奥野栄太をイメージして書いたとおっしゃっていました。
もしその本が実写化されたら奥野さんが彼氏役をやるしかないではないか。(観たい)