道尾秀介本を三冊
松の内も終わり、日常が戻ってきました。
今年は七草セットをスーパーで買うタイミングを逃したため、前日の夜に作った中華風スープにご飯を入れて雑炊にし、それを七草がゆの代わりにしました。(何の意味が…)
それにしても部屋に整理していない本や漫画があちらこちらに積んであって、そろそろウンザリ。
読んだ本は速やかに片さないと増殖する一方です。
読んだ本の紹介を兼ねた備忘録を少しずつ付けていきます。
昨年は久しぶりに、立て続けに道尾秀介の本を読みました。
「風神の手」はいつかの新聞で紹介されていて興味があったので買いました。
帯のコピーがまたそそるのです。
読み進めるごとに反転する出来事の〈意味〉
その鍵を握るのは、一体誰なのか
4つの章からなる連作短編風の一冊です。
各章の物語がそれぞれの人物目線で語られて、最後の章で結集し、すべてが繋がった瞬間ゾクゾクします。
言われてみれば、現在の自分がこうして生きているのは、全て過去におきた偶然と選択の結果なのだな、と思わされるような小説。
一番好きなのは、「まめ&でっかち」の二人の少年が出てくる「口笛鳥」の章でした。
でっかち少年が実に愛おしい存在で、彼の「嘘」の真実が明らかになった時、心がギュッとなりました。また、彼のその後の人生を知ることができたのも嬉しかった。
それにしても道尾秀介は多作ですね。
一冊読んでいる間にどんどん新作が発売されていく…恐るべし。
道尾秀介を初めて読んだのは「向日葵の咲かない夏」で、その後に読んだのが「背の眼」でした。
「向日葵の咲かない夏」は怖かったな~ ホラーではないけど、淀んだ空気をずっと吸わされているような、息苦しさの抜けない作品でした。
「背の眼」はホラー風味のミステリ小説で、そういう作風が私はけっこう好き。
「背の眼」で初めて登場した真備庄介は、シリーズとなり今後も続いていきそうです。
真備シリーズは著者である道尾秀介が出てくるのも楽しいです。「売れないホラー作家」という、ちょっと情けない男性の役どころですが、妙にカワイイと思ってます。
エラリー・クインに習ってか、日本のミステリ作家の方々も、けっこう著者名を作品に登場させてますよね。道尾氏の場合は、デビュー作「背の眼」で、語りて(一人称)の年齢と性別がたまたま一緒だったからなんだとか。
ちなみにドラマ化された「背の眼」では、ご本人も一瞬登場。(真備庄介は欧米の美人女優のような中世的なルックスということなのですが、ドラマではそこんとこ一切無視で渡部篤郎が真備役なのでした。あはは)
真備シリーズは高松和樹のイラストで統一なのかな?
「背の眼」のように、白色が印象的なホラーテイストを感じるイラストです。
滋賀県の仏像工房が舞台ですが、やはり初めはホラー感ビシバシ感じます。つまり超常現象的な何かとしか思えないような。
そこはやはりカラクリがあるわけなのですが、仏像を暗闇で見るのは怖いです…
こちらも真備シリーズですが、短編です。
真備、道尾、凛の三人がそれぞれ主役となって活躍します。
道尾の恋する凛と、真備の本当の関係が明らかになりましたね。
何か面白そうな小説を読もうと思ったら、道尾秀介を選ぶのが早道かもしれません。
私はだいたいそうしてます。
新作の「N」という作品も、ギミックだらけのような楽しそうな本です。
で、いつ読むかが問題(笑)