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本の備忘録 「本の読み方」

honnoyomikata




久しぶりの本ブログです。





平野啓一郎著「本の読み方」というスロー・リーディングの実践について書かれた本を読みました。
ずいぶん前に読んだ本なのですが、読書Loverには為になることがたくさん書いてある有益な本です。
平野氏はここで、教養と人生を豊かにする「量より質」の読書術の提案をしてくれているのです。


本書の中で、ちょっと自分にも思い当たるような記述があったので紹介。
平野氏は14歳の頃、三島由紀夫の「金閣寺」を読んでショックを受け、三島の作品を読みあさったそうです。そして三島が小説やエッセイの中で、トーマス・マンやゲーテやドストエフスキーについて言及していると、その作家に興味を持って作品を読むという流れで、読書の幅が広がったことが書かれていました。この場合、三島が読書の道順を示してくれた「保護者」だったそうなのです。引用します↓
「ある作家のある一つの作品の背後には、さらに途方もなく広大な言葉の世界が広がっている」
そうなんですよね。この作品を読まなかったら出会えなかったであろう世界を知る喜びがあるのです。人によっては人生を変えるほどのものかもしれません、

私も初めて読んだ作家の本がおもしろかったら、立て続けにその作家を読みあさるタイプ。昔ならアガサ・クリスティやブラッドベリ、日本の作家なら初期の村上春樹や恩田陸、小川洋子、皆川博子などなど…
平野氏のような、読み進めてきた文豪の作品群には私はあまり興味がありません。限られた人生の中では読める本の数は限られているので、純粋に自分の楽しみの為や興味のある本だけ手に取るようにしています。(大長編小説「失われた時を求めて」なんて絶対に読まない)

昨年亡くなった西村玲子さんのエッセイを今もよく読み返したりしていますが、西村さんが言及した小説はなぜか読みたくなってしまいます。さらりとした短い感想なのに、その作品へと心が動いてしまう。(イアン・マキューアンの「アムステルダム」はそこで知って読んだ。ティム・クラベーの「洞窟」も気になってる)
自分の読書世界が広がるのはこういうことなんだと思います。だから女性誌でたまに読書案内特集があると、知らない本との出会いを求めて買ってしまうんですよね。いつもじゃないけど。


この「本の読み方」の中にはなんとカフカの1作品が丸ごと入ってます!
「橋」という、「橋」目線で語られる突っ込みどころ満載の掌編なのですが、その意外な結末に思考が空を舞う。
これがカフカなんだ~としばし感動。(ちなみに私は「変身」も読んどりゃあせん)
平野氏の解釈も鋭くて「橋」は官僚制社会に対する批判ではないかという点になるほどと思いました。人によって解釈は様々ありましょうが、私は普通に不条理小説というよりも、自分を苦しみから解放してくれそうな者に、裏をかかれて自滅した、可哀そうな「橋君」のお話というシュールな幻想小説に感じました。底が浅いです…
でもまあ、ここで人生初めてカフカを読んだわけですよ。つまり「自分カフカ読んだことあります」と人に言えるわけです(笑)

私は基本的に本に印を付けたりページを折ったりすることを好みません。
でも「本の読み方」を読んでから、ずっと手元に置いておきたい本ならば、気になった個所に線を引いたり書き込みをしたりすることは良いことなのではと思うようになりました。(ヴィジュアル重視の本にはしたくないですが)
ちょっとした覚え書きが、ある日自分に思いがけない発想や行動を授けてくれるかもしれないから。
一冊の本をとことん読み込んだ証のような感じですね。

私が主に読むのはフィクション、つまり小説やエッセイです(もちろん漫画も)その自分がこういう「本の読み方」のような実践本を購入したのは、そこから「気づき」が得られることを期待したからです。本を漫然と読むこともありでしょうが、時にはもう一歩踏み込んだ読み方をしてみるのも大事ではないか。
この「本の読み方」では夏目漱石の「こころ」や、森鴎外の「高瀬舟」の抜粋した部分を解説してくれていて、(偶然にもどちらも学生時代に読んでいる)そのしつこく細かい解釈がさすがです。平野氏いわく「一冊の本を骨の髄まで味わい尽くそう」を目の当たりにした瞬間です。鴎外も漱石もそこまで深く読んでくれていることに感涙ものでしょう。
ただ、自分がそこまでのレベルに到達するには1ページ進むのに1日かかってしまうに違いない(笑)



私にとって読書とは日常生活で簡単に得られる娯楽ですが、時には深く考え、多角的に物語を捉える読み方にも挑戦してみようと思っています。そこから得たものが、いつか役にたつことがあれば嬉しいですね。


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