道尾秀介「いけないⅡ」が秋の読書の愉しみ
昨日Amazonから届きまして、昨夜から読み始めたばかりです。
9月に発売されていたのを知らなくて、最近朝刊の2面の書籍紹介広告で知ったのです。
新聞2、3面の本の広告って必ず目にする場所だから、今までここで見てから買った本は数知れず。(うちの母も)
今回は「いけないⅡ」ということで、当然Ⅰもあったわけです。
ずっと前に感想を記事にしていたのでまた引っ張ってきました。
書評ですごく面白そうに感じた道尾秀介の「いけない」です。
「王様のブランチ」でも紹介されたようですが、その時は観ていなかったような気がします。覚えてない…
この小説はいわゆる「仕掛け」のあるミステリー。
架空の町を舞台にした4章からなる連作短編集ですが、各章の終わりに一枚の写真が付いていて、種明かしがされているのです。
種明かしというか、読者がその写真を見て改めて物語の謎を考える余地を残しているのですね。
ですからまた途中を読み返すことになるのです。
全章を通して不穏な話だらけです。
特に2章目の少年が主人公の話が一番気味が悪かった。ネットでネタバレと解釈を読んでみて、初めて気が付いた部分もあり、改めてゾッとしてしまいました。そしてまた読み返す…私はこの章を読んでいる時、道尾氏の「向日葵の咲かない夏」や「背の目」のようなジットリしたホラーじみた違和感を常に感じていました。
連作なので、最後は謎が全て繋がるわけですが、皮肉な大団円を迎える終わり方はけっこう好きです。
久しぶりに夢中になって読んだミステリーでした。
連作短編の各章にそれぞれ付く「〇〇してはいけない」のサブタイトルを統合して「いけない」がタイトルになっているわけですね。
道尾秀介はけっこう仕掛けのあるミステリーを書いてくれるので嬉しいです。
どんでん返しものが好きなので、いつも楽しみにしている作家です。
未知の読書体験が約束された「N」はまだ読んでいませんが、「いけないⅡ」の後に読みたい。でもすでに手元に恩田陸の「薔薇のなかの蛇」が待機中なんだよなぁ~
読みたい本がワンサカの秋です。