吉祥寺の無くなった店と亡くなった人
マガジンハウスの情報誌「Hanako」は、毎年吉祥寺特集を組んでくれます。
もうかれこれ8年くらいこの特集の時は雑誌を購入していますが、さすがに情報も古くなっているため、古い号は処分しようと思い立ちました。
一応改めてページをめくり、気になるお店をチェックしてみたのですが、想像以上に閉店が多い。
ここのブログでもけっこう紹介してきたお店が閉店閉店閉店と予想外の結果に呆然…。
これは間にコロナがあったせいかもしれませんが、いつも行列の絶えなかった人気店が無くなっていたなんて、厳しい現実を目の当たりにしました。
閉店後は別の飲食店がオープンしているのですが、親しんだお店が無いのは寂しいものです。
吉祥寺はお店の家賃が高くて大変だという記事を新聞でも何度か読みましたし、売り上げが芳しくなければ即閉店になってしまうのでしょうけど(移転したというお店も数件ありましたが)、個人経営の店におもしろいものがあったことを考えると、今後は個性的な店舗が少なくなるかもしれません。
閉まる店があれば新しくオープンする店があるので、流動性のある街といえば聞こえはいいですが、喪失感をもたらされるのも事実です。
そんな過去の吉祥寺特集の「Hanako」をめくっていたら、Fさんという料理研究家のお家を紹介したページがありました。
Fさんは吉祥寺駅から徒歩数分という、庭付きのビンテージマンションに住まわれていて、センスの良いインテリアや小物に囲まれて暮らしている女性でした。
他の雑誌でも、そのライフスタイルが取り上げられていたのを読んでいたので、私にはちょっと憧れの人だったのです。
それがとあるサイトで、Fさんが数年前に亡くなっていたことを偶然知ることになりました。
驚きましたが、ご病気だったそうです。
まだ40代半ばだったのに…
先日は犬を連れて吉祥寺のレストランへランチに出かけました。
中道通りから細い路地に入ったところに、白い入口のおしゃれなお店がありました。
お花屋さんのようで、店先にはたくさんの花の苗が並べられていて、これから営業かな?という雰囲気。
ふとドア横の壁に目をやると店名の「gente」の文字が。
これはイラストレーターの西村玲子さんが生前、個展を開いたというお花屋さんではないか!
うわぁ~ここだったのか。としばし感慨にふける…
私は当時三鷹に引っ越してきてから2年経っていたのに、情報不足で個展が終わってから知った次第なのでした。
その後西村さんが亡くなられて、当時の思い出を親交のあったgente店主の並木容子さんがHPで綴っています。
私は子供の頃から西村さんのイラストやエッセイが大好きで、本も何冊も所持していますが、個展には一度も行ったことがなかった!悔やまれてなりません。
行きたい、観たい、体験したいと思ったことは、許す限り早目に行動することですね。
今回しみじみと感じました。